特集 血流感染予防の最新知見が示す 血管内留置カテーテル管理の極意
消毒薬製品の最新知見を検証する 血管内留置カテーテル挿入部位および手術部位の皮膚消毒
小野寺 直人
1
1岩手医科大学 臨床検査医学講座
キーワード:
Chlorhexidine
,
留置カテーテル
,
手術創感染
,
消毒
,
皮膚
,
カテーテル感染
,
血管アクセス器具
Keyword:
Catheters, Indwelling
,
Chlorhexidine
,
Disinfection
,
Surgical Wound Infection
,
Skin
,
Catheter-Related Infections
,
Vascular Access Devices
pp.225-230
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2017321464
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はじめに
感染制御に汎用される消毒薬は,医療関連感染の原因となる微生物を減少させ,感染症の発生を抑制することを目的に使用される。最近では,生体消毒薬のトピックスとして,血管留置カテーテル挿入や手術時の皮膚消毒薬の有効性および安全性に関する報告が話題になっている。血管留置カテーテル挿入部位の皮膚消毒は,2011年に『血管留置カテーテル関連感染予防のためのCDCガイドライン』1)が0.5%を超えるクロルヘキシジン(CHG) アルコールの使用を推奨した。また,本邦でも2015年,国公立大学附属病院感染対策協議会のガイドライン2)が改訂され,同様の推奨となっている。手術部位の皮膚消毒では,2016年にWHO『手術部位感染予防のためのグローバルガイドライン』3)がCHGアルコールの有効性について言及している。一方,新しい手術部位の皮膚消毒薬『オラネキシジングルコン酸塩液』が発売され,その効果が期待されている。そこで本稿では,「消毒薬製品の最新知見を検証する」と題して,本誌特集に関連した血管留置カテーテルおよび手術部位の皮膚消毒薬の新たな知見を整理するとともに,新規手術部位皮膚消毒薬について解説する。
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