特集 血流感染予防の最新知見が示す 血管内留置カテーテル管理の極意
これが最新の考え方!血管内留置カテーテル管理のエビデンス 輸液接続ラインの管理 輸液・薬剤の準備、混注部(ニードルレス・コネクタ)の消毒と閉鎖式の意義
藤田 直久
1
1京都府立医科大学 感染制御検査医学
キーワード:
留置カテーテル
,
消毒
,
調剤
,
輸液療法
,
カテーテル感染
,
血管アクセス器具
Keyword:
Catheters, Indwelling
,
Drug Compounding
,
Disinfection
,
Catheter-Related Infections
,
Vascular Access Devices
pp.238-243
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2017321466
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はじめに
輸液の目的は,患者への水分・電解質・栄養補給に加え,様々な薬剤投与であり,現在の医療において不可欠である。輸液は,1.調製された輸液パック→2.輸液回路と混注部(ニードルレスコネクタ:以下NC))→3.血管内留置カテーテル→血管内,という大きく3つのパートから構成される連続した経路があり,輸液内容物が通過する管腔内は絶対に「無菌」でなければならない。しかしながら,時に無菌状態に破綻が起きる。回路に侵入した細菌は増殖し,血管内留置カテーテルに関連する血流感染症(CRBSI)が発生する。CRBSIの原因として,❶皮膚の常在細菌が刺入部から侵入,❷輸液ルート中のNCから侵入,❸他の感染部位から血流を介してカテーテルに付着する,の3つが考えられる1)。その割合は,❶を含む回路外が60%,❷を含む回路内が12%,由来不明が28%,輸液汚染は1%未満と報告されている2)。しかしながら,米国と日本ではカテーテルの留置期間や後述するように輸液調製環境が大きく異なり,この数字を日本にそのまま当てはめることはできない。本稿では輸液・薬剤の準備と輸液回路にあるNCについて,日本の状況と最近の話題を含め解説する。
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