特集 トラブル回避で感染症予防 感染制御のための皮膚管理
皮膚トラブルを抱える部位の皮膚管理 保護策と処置法のポイント 血管内留置カテーテル挿入部位
野田 洋子
1
1金沢医科大学附属病院 医療安全部感染制御室
キーワード:
留置カテーテル
,
消毒
,
創傷と損傷
,
皮膚疾患
,
看護ケア
,
看護生涯教育
,
スキンケア
,
カテーテル感染
,
創傷被覆材
,
清潔の援助
Keyword:
Catheters, Indwelling
,
Education, Nursing, Continuing
,
Disinfection
,
Nursing Care
,
Skin Diseases
,
Wounds and Injuries
,
Skin Care
,
Catheter-Related Infections
pp.208-213
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2018337359
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はじめに
血管内留置カテーテルは,主に栄養や薬液投与および治療目的で挿入される。一方で,医療器具の挿入部が,体内への微生物侵入門戸となり,医療器具関連感染発症につながる。なかでも血管内留置カテーテル関連血流感染(CRBSI)発症は,重症化しやすく,挿入前から挿入中における感染経路の遮断を目的に,徹底した感染管理が求められる。
血管内留置カテーテルにおける微生物侵入経路と感染リスクは,挿入部感染10%,ハブ(カテーテル・ポート)の汚染70%,薬液汚染10%,カテーテル先から血行性播種10%となっており,それぞれの経路からの微生物侵入を遮断する対策が重要である。CRBSIの原因となる主な微生物は,ブドウ球菌などの皮膚常在菌であり,これらが体内に侵入する経路は,①カテーテル挿入時,②カテーテル挿入部からの侵入,③ハブからの侵入,などが考えられる。特に①,②に関しては予防的ケアにより侵入リスクを減少させることができる。そのため,カテーテル挿入部を中心とし,滅菌フィルム材でドレッシングされる範囲の皮膚常在菌数を減らし,皮膚バリア機能を維持するための予防的ケアは,CRBSI防止目的の対策としては重要であると考える。
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