特集 血流感染予防の最新知見が示す 血管内留置カテーテル管理の極意
これが最新の考え方!血管内留置カテーテル管理のエビデンス カテーテル挿入・留置・抜去の管理
山本 夏男
1
,
仲村 究
,
金光 敬二
1福島県立医科大学 感染制御学講座
キーワード:
Chlorhexidine
,
カテーテル法
,
留置カテーテル
,
衛生管理
,
カテーテル感染
,
血管アクセス器具
Keyword:
Catheterization
,
Catheters, Indwelling
,
Chlorhexidine
,
Sanitation
,
Catheter-Related Infections
,
Vascular Access Devices
pp.231-237
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2017321465
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はじめに
中心静脈カテーテル(Central Venous Cath-eter:以下CVC)は,補液や注射薬剤など血管内を結ぶ直接のルートであり,今日の医療現場で広く重要な役割を担っている。末梢静脈を用いた点滴ラインと比べると,CVCは挿入時の処置から維持・衛生管理,抜去に至るまで深刻な合併症が生じるリスクが高い。CVCを挿入する処置では,誤穿刺や皮下出血,迷走神経反射などのリスクを認識し,そのような合併症を回避しなければならない。このため患者固有の血管の部位や走行,凝固能や合併症などを理解してから適切なカテーテル材料を選定して処置を実施する必要がある。これには熟達した術者がエコーガイドで穿刺目的の血管を事前に評価するのみならず,患者の基礎疾患や状態,カテーテルの使用目的,意義を看護チーム,薬剤師,栄養士などと共に認識した上でCVCの管理を行うことが肝要である。カテーテル挿入後に病棟で必要なCVCの管理に伴う合併症として,静脈炎,血流感染,血栓症などのリスクがある。集中治療室で使用されるCVCの管理では,カテーテル関連血流感染(Catheter-Related Blood Stream Infection:以下CR-BSI)が特に深刻な合併症となりやすい。本稿では,特に中心静脈ラインから生じるカテーテル関連血流感染;Cen-tral Line-Associated Blood Stream Infec-tion:以下CLABSI)の理解とその予防・回避についてエビデンスを基に概説する。
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