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内容のポイント Q&A
Q1 What? 発達性協調運動症とは?
発達性協調運動症(以下,DCD)は神経発達症の1つで,明らかな麻痺や筋疾患が認められないにもかかわらず協調運動の問題があり,整った文字を書く,靴紐を結ぶ,球技をする等,日常生活や学校活動等の活動に支障が出ている状態である.有病率は5~8%,2:1~7:1で男児に多いとされている 1).DCDは注意欠如多動症,自閉スペクトラム症との併存がみられやすい.
Q2 Who? リハビリテーション診療を要する子どもはどのような特徴があるか?
DCD児の中には,境界級から重度の子どもまでがいる.協調運動の問題によって日常生活や学校生活等に支障が出ている子どもにはリハビリテーション診療が必要であると考えられる.しかしながら,実際にはDCDの診断がつく子ども皆が医療機関を受診するわけでない.DCD単独というより,ASDやADHD等の併存がある子どもがリハビリテーション診療の対象となっていることが多い.
Q3 When? What? いつから,いつまで実施するのが適切か(時間と場所)?
DCDへのリハビリテーションの適切な開始時期,期間については報告されていないが,幼児期早期の介入開始が望ましいと考えられる.ただし,DCD治療の推奨では,症状が早期から存在し,通常5歳までに明らかになるとされていため,リハビリテーションが診断を前提とした場合,5歳以降の開始が多いであろう.わが国では医療におけるリハビリテーションだけでなく福祉サービスや学校等での対応を行うことが多い.
Q4 How? どのように評価し,リハビリテーション診療を行うべきなのか?
感覚運動質問紙(協調運動質問項目)等の質問紙評価,日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査等の直接的な個別検査を実施し,協調運動の問題について分析する.DCD児へのリハビリテーション介入には障害指向型介入と課題指向型介入がある.障害指向型介入には感覚統合療法等があり,課題指向型介入では日常作業遂行に対する認知オリエンテーション(CO-OP)等がある.

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