特集 小児リハビリテーションの5W1H─超少子時代を迎えて
第3章 小児リハビリテーションの実践
Column 担い手の確保─小児領域の言語聴覚士
大塚 佳代子
1
,
工藤 芳幸
1
1関西福祉科学大学保健医療学部リハビリテーション学科言語聴覚専攻
pp.1382-1384
発行日 2025年11月25日
Published Date 2025/11/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr034131382
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はじめに
わが国における言語聴覚士(以下,ST)免許保持者は2025年3月で43,364名となり,年々増加傾向にある一方で,STが専門としている障害領域 1)は成人が多く,小児言語・認知領域は4,507人で,聴覚領域に次いで少ない状況である(表1).
海外においても,言語病理学者(SLP)の対象患者のうち,言語障害(SSD)を有する子どもは40%以上を占め 2),子どもを専門とするSLPの67.6%が治療待ちリストを抱えている 3).このように,小児領域におけるST不足が問題となっているが,わが国での要因として,山下 4)は充実した言語臨床を提供できる施設が少ないこと,常勤採用が少ないこと,保育士,教師等,他職種との緊密な連携が確立していないこと,国家資格を得た後の学びの場に恵まれないこと,日常臨床での疑問を解決するための仲間が少ないことを挙げている.このような状況の中,ST学生の教育・人材育成を担う養成校の責務は重大である.

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