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内容のポイント Q&A
Q1 痙縮治療の普及において,開始期あるいは継続期にどのような医療連携をとるか?
過疎地域においては,回復期病床をはじめ,リハビリテーション資源が不足していることも多く,リハビリテーションの場そのものが急性期医療機関から直接,在宅や地域の介護施設等へ移行してしまっている患者も多い.痙縮の原因となる疾患の発症早期に関与する急性期医療機関や,主に生活期を支援するかかりつけ医や地域医師会への働きかけ,そして介護関連事業所の医師との連携は,非常に重要である.その手段の1つとして,地域リハビリテーション広域支援センターや地域包括支援センター等,既存の組織との連携も有効である.
Q2 痙縮治療の普及に関してどのようにチーム医療で対応するか?
痙縮治療を導入するうえで,患者にその治療の存在や有用性等の情報を提供する医師をはじめとした医療介護関係者の役割は非常に大きい.特に,ボツリヌス施注医を含めた医師からの情報提供だけでなく,痙縮患者をサポートする生活期の支援に携わる医療介護関係者(療法士,ケアマネジャー,看護師,介護士,医療ソーシャルワーカー等)からの治療情報が,治療導入のきっかけとなることも多い.そのため,関係するスタッフにとって痙縮治療が「身近な治療」となるよう,知識を深めるための普及啓発活動や,治療に同席して理解を深めてもらう機会を設けることが有用である.
Q3 痙縮治療の普及のため,アクセスの観点からどのような連携をとるか?
過疎地域では,公共交通機関が撤退し,医療機関への通院すら困難な地域が多く存在する.その場合,医療機関への通院手段をどうするかが課題となる.同居や近隣に家族がいる場合はまだしも,高齢者の独居世帯や高齢者夫婦世帯が急増している中で,家族による送迎の負担や医療機関へのアクセスの問題は,痙縮治療に限らず,過疎地域における医療・介護サービス全般の最重要課題といっても過言ではない.通院負担の軽減を図るためには,介護サービスの日程を考慮して診療日を調整したり,介護事業所の専任医師やかかりつけ医と連携することが重要である.また,オンライン診療〔D to PwithN(therapist)型等〕も有用な手段となり得る.
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