Japanese
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特集 誤嚥性肺炎とリハビリテーション
第2章 疾患病態別の誤嚥性肺炎予防
脳血管障害
Cerebrovascular disorder
山徳 雅人
1
,
佐々木 信幸
1
Masato Yamatoku
1
,
Nobuyuki Sasaki
1
1聖マリアンナ医科大学 リハビリテーション医学講座
キーワード:
脳卒中治療ガイドライン2021
,
嚥下回診
,
栄養管理
,
嚥下画像検査
,
姿勢調整
Keyword:
脳卒中治療ガイドライン2021
,
嚥下回診
,
栄養管理
,
嚥下画像検査
,
姿勢調整
pp.659-665
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.32118/cr033070659
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内容のポイント Q&A
Q1 脳血管障害急性期の誤嚥性肺炎予防は?
脳卒中治療ガイドライン2021に基づき,スクリーニングテストでは水飲みテスト,さらに精査が必要な場合に嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)を検討することと,嚥下訓練は発症からできる限り早期に開始することが推奨されている.また,口腔ケアも重要であり,評価スケールを用いて多職種間での情報共有を行っていく必要がある.
Q2 脳血管障害者の加齢に伴う嚥下機能低下にどのように対応するか?
高齢者においては,脳血管障害発症前から身体機能,認知機能の低下により摂食嚥下機能が低下しており,より慎重に経口摂取の可否を判断するだけでなく,経口摂取開始後の経過を追うことも必要である.また,低栄養が誤嚥性肺炎のリスク因子であることから,回復期での誤嚥性肺炎発症予防のためにも急性期での栄養管理が重要となり,経口摂取が困難な重症例では速やかに経管栄養,経静脈栄養を開始することが推奨される.
Q3 誤嚥性肺炎合併後の機能評価において留意すべきことは?
脳卒中患者では不顕性誤嚥を繰り返していることがあり,誤嚥性肺炎合併例ではVFにて不顕性誤嚥,顕著な嚥下反射の遅延,咽頭残留がないかを確認することや,夜間は酸素飽和度を持続的に確認していち早く誤嚥に気づく体制を整えることが重要である.また,適切な食形態や,頭部回旋,頭頸部屈曲,リクライニング姿勢等の姿勢調整を再度検討していくことも必要である.
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