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特集 神経難病患者の在宅生活におけるリハビリテーション医療の役割
環境調整も含めた在宅での生活指導のポイント
The key points for guidance in the home care of patients with rare diseases are as follows
植田 友貴
1
Tomotaka Ueda
1
1西九州大学 生活支援科学研究科
キーワード:
神経難病
,
自助具
,
ICT機器
Keyword:
神経難病
,
自助具
,
ICT機器
pp.426-432
発行日 2024年5月15日
Published Date 2024/5/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033050426
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Q1 患者・家族のニーズは? 発症初期は病状の進行予防を目的としたセルフトレーニングの要望が多いが,進行に伴いADL維持のための動作の工夫や,自助具導入等の要望が増えていく.ADL自立度が下がってくると介護量の減少や,寝たきりでも安定した生活を送るための環境調整の要望が増えてくることが多い.患者は無意識的に代償動作を取りいれ二次障害を併発することがあるため,病状進行を予測しつつ適切なタイミングでリハスタッフが関与することが重要である. Q2 在宅における生活指導のポイントは? 進行性疾患である神経難病では「ADL自立度を可能な限り維持すること」が効果的な訓練の1つである.そのためには障害の進行に応じた適切な代償手段の提案や自助具の導入が必要となる. Q3 環境調整におけるポイントは? 進行性疾患であることを考慮し,転倒や外傷を予防するための環境調整を行う.特に住宅改修は病状が進行した際の生活方法を見据えてプランニングすることが重要である.さらに,リフトの導入やICT機器を導入することで介護量軽減とQOLの向上を図っていく. Q4 チームでの情報共有は? 充実した在宅生活を送っていただくためには,かかりつけ医療機関と,在宅スタッフおよび家族とのシームレスな情報共有が必須である.退院前には,本人・家族を含めた関係者ミーティングを行うことを推奨する.また,消防署,電力会社,人工呼吸器メーカーと事前協議を行うことで急変時や災害時にスムーズな対応を行うことができる.
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