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内容のポイント Q&A
Q1 意思伝達装置の種類は?
狭義には補装具である重度障害者用意思伝達装置が,広義にはそれ以外にも意思表出を補完・代替するコミュニケーション(AAC)機器まで広く含める場合がある.AACの分類としては,特別なテクノロジーを使わない手段である非エイドや,パソコンやタブレット等のICT機器利用等のハイテクノロジーエイドの利用,重度障害者用意思伝達装置等の専用機器がある.
Q2 意思伝達装置の公費支援制度は?
障害者総合支援法による,補装具費支給制度と日常生活用具給付事業がある.前者では重度障害者用意思伝達装置として文字等走査入力方式と生体現象方式の2方式が規定されている.後者は,携帯用会話補助装置と情報通信支援用具が対象である.PCを用いる場合,補装具は専用機器であるため,自由に利用したい場合は情報通信支援用具で,入出力補助装置等が給付対象になる.
Q3 意思伝達装置のALS患者の社会活動への利用は?
自らの意見・主張を社会に発表している例として,重度障害者用意思伝達装置を利用する参議院議員の舩後靖彦氏や,iPadや自分の声に似せた合成音声を利用する日本ALS協会会長の恩田聖敬氏の活動が挙げられる.また,重度障害者用意思伝達装置のみでなくPCを介して遠隔地のロボットを操作することでの社会参加を行う例もある.
Q4 意思伝達装置のALS患者の余暇への利用は?
余暇への利用は趣味嗜好に基づく娯楽的な利用といえる.重度障害者用意思伝達装置同様のスキャン操作や視線検出でPCを操作してインターネット閲覧やリモコンとして利用している例も多数ある.インターネット関係の実施割合も満足度もそれなりに高く,最近では,SNSツールやeスポーツ等がさらに増えていると思われる.
Q5 将来の意思伝達装置は?
現状の最新技術としては視線入力や音声合成が実用化され,複数の製品が利用されている.またBMI技術を応用した研究も行われており,より高度・精度の高い判定技術が開発されれば「はい・いいえ」の二択判定にとどまらず,複数選択肢からの判定や,文字入力が可能になるものであり,今後は実用化され商品化されることも期待される.これらについては,倫理的側面からの検討も必要である.
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