連載 脂質栄養学を盛り上げる 最新研究トピックス④
ビタミン様栄養素コリンをめぐる現状(4) 日本人におけるコリン摂取量の実態
大久保 剛
1
Takeshi Ohkubo
1
1仙台白百合女子大学人間学部 健康栄養学科
キーワード:
食事調査
,
LC-MS/MS
,
食品成分データベース
Keyword:
食事調査
,
LC-MS/MS
,
食品成分データベース
pp.92-97
発行日 2026年7月1日
Published Date 2026/7/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn149010092
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はじめに
世界には,ビタミンを14種類とする国(カナダ,オーストラリア,中国など)と13種類とする国(日本,イギリス,ドイツなど)がある.この1種類の差は「コリン」である.また,アメリカのようにコリンをビタミン様物質として扱っている国もある.当然,コリンをビタミン,ビタミン様物質として取り扱っている国には,adequate intake(AI;目安量)が定められている.
その一方で,コリンをビタミンとして定めていない国では,日本も含めてAIは存在していない.とくに日本では,コリンは栄養素としてではなく,食品添加物としての乳化剤の概念が広く浸透しているため,日本人がどれくらいの量を摂取したほうがよいのか,その前に日本人がどれくらいの量のコリンを摂取しているのかも関心がなく,よくわかってもいない.
そもそもコリンと一口にいっても,水溶性物質(遊離コリン,ホスホコリン,グリセロホスホコリンなど)や脂溶性物質(ホスファチジルコリンなど)と複数の分子種が存在している.このため,筆者らは,日本人の食事からのコリン摂取量を測ることを試みているが,そう簡単なことではないことも今回は紹介する.

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