連載 栄養支援に活かす! 行動医学・メンタルヘルス実践アプローチ⑬
GIP/GLP-1 受容体作動薬時代の肥満症治療
-行動医学的視点からみた支援の役割
野崎 剛弘
1
Takehiro Nozaki
1
1中村学園大学大学院 栄養科学研究科
pp.99-103
発行日 2026年7月1日
Published Date 2026/7/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn149010099
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はじめに
薬があれば,行動・心理面への支援は不要なのでしょうか?
近年,GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬(以下,総称してGLP-1RAと表記)の登場により,肥満症治療は大きな転換点を迎えています.GLP-1RAは,強力な食欲抑制作用と体重減少効果を示し1,2),「注射だけで痩せる時代が来た」といった印象を与えています.実際,生活指導をほとんど行わなくても,短期間で顕著な体重減少が得られる症例は少なくありません.
この現実を前にすると,「これまで時間と労力をかけてきた行動面・心理社会面へのかかわりや栄養支援は,もはや不要なのではないか」という問いが浮かぶのは自然です.本稿では,この問いを正面から受け止めたうえで,GLP-1RA新時代における行動医学的視点に基づく支援の役割の変化と再定義について考えていきます.

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