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連載 脂質栄養学を盛り上げる 最新研究トピックス②
ビタミン様栄養素コリンをめぐる現状(2) 日本の食品における総コリン量の測定と今後の展望について
平川 祥成
1
Yoshinari Hirakawa
1
1一般財団法人日本食品分析センター 研究開発部 技術イノベーションチーム
キーワード:
コリンエステル
,
総コリン量
,
分析法開発
,
摂取量
Keyword:
コリンエステル
,
総コリン量
,
分析法開発
,
摂取量
pp.682-687
発行日 2026年5月1日
Published Date 2026/5/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn148050682
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はじめに
コリンは,細胞膜の材料であるホスファチジルコリンや,神経伝達物質アセチルコリン等の基となる,体にとって欠かすことのできない栄養素である1,2).また,肝臓の機能を正常に保つ役割があり,不足すると脂肪肝等のリスクが高まる可能性がある2).体内においては,わずかに肝臓で再合成されるが,必要量を満たすには食事からの摂取が不可欠である.食品中のコリンはさまざまな形態(図)として存在するため,摂取量はコリン部分を合算した「総コリン量」で評価することが一般的である2).米国や欧州ではすでにadequate intake(AI;目安量)(表1)3)が定められているが,日本にはまだ基準が存在しない.その理由の一つとして,日本の食品に含まれる総コリン量のデータベースが存在しないことがあげられる.日本の食品のデータベース化を阻んでいるのが,総コリン量の分析のむずかしさである.形態の異なる多様なコリンエステルを,さまざまな成分の組合せで構成されている食品から,適切に抽出し,総コリン量を測定するには高度な技術が必要となる4).したがって,従来の方法は煩雑で精度に課題があり,これがデータベース構築の障壁となっていた.日本における食事摂取基準の策定を進めていくには,まず信頼性の高く簡便な「分析法」の確立が重要だと考えられる.
本稿では,従来の分析法の課題およびわれわれの開発した新たな分析法を紹介し,開発した方法を用いて得られた日本の食品の測定結果と,今後の展望について述べる.

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