連載 栄養支援に活かす! 行動医学・メンタルヘルス実践アプローチ②
ケーススタディから学ぶ 行動変容技法① セルフモニタリング
野崎 剛弘
1
Takehiro Nozaki
1
1中村学園大学大学院 栄養科学研究科
pp.221-229
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn147020221
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はじめに―行動変容の肝はセルフモニタリングにあり!
自分の行動を観察し記録することを,セルフモニタリングといいます.セルフモニタリングは認知行動療法のもっとも基本的かつ不可欠なスキルであり,人が自身の行動や思考パターンを客観的に把握し,その変容を促すうえで非常に有効な手段です.健康的な食生活と身体活動の獲得をめざした行動変容技法のメタ解析において,もっとも効果的な技法が「行動のセルフモニタリング」であったと報告されています1).セルフモニタリングが効果的な理由として,まず自身の行動を意識化することによって不適切な行動を認識しやすくなり,その後の行動抑制につながること,そして不適切な行動が減少し適切な行動が増えることで,セルフエフィカシー(自己効力感)が高まることなどがあげられます.

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