連載 栄養指導・栄養管理に活かしたい 食物繊維学の新常識②
国民健康・栄養調査の解釈の注意点と日本人の食物繊維摂取量の変遷
東泉 裕子
1,2
Yuko Tousen
1,2
1国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所
2食品機能研究部食品安全・機能研究室
キーワード:
国民健康・栄養調査
,
食物繊維摂取量
,
日本食品標準成分表の改訂
,
分析方法
,
日本人の食事摂取基準
Keyword:
国民健康・栄養調査
,
食物繊維摂取量
,
日本食品標準成分表の改訂
,
分析方法
,
日本人の食事摂取基準
pp.246-252
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn144020246
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はじめに
国民健康栄養調査は,健康増進法に基づき,国民の身体の状況,栄養摂取量および生活習慣の状況を明らかにし,国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的として,毎年実施されている1).平成13年(2001年)の国民健康・栄養調査から食物繊維の摂取量が発表されるようになり,令和元年(2019年)までの調査結果が報告されている2).
令和元年国民健康・栄養調査結果において,食物繊維の摂取量がこれまでと比較し急激に増加している3).これは,国民健康・栄養調査に用いられている日本食品標準成分表における食物繊維の分析方法が更新されたことに起因するものであり,見かけ上の数値は変化しているが,日本人の食物繊維の摂取量自体が急激に変化したものではないと考えられる.
本稿では,令和元年の国民健康・栄養調査結果における食物繊維量の解釈の注意点,および日本人の食物繊維摂取量の変遷について概説する.
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