特集 ズバッと答える臨床知識 学生・患者に説明できますか?
医学常識の変遷―食物繊維の大腸癌予防仮説を事例として
坪野 吉孝
1
1東北大学公共政策大学院
キーワード:
食物繊維
,
大腸癌
,
ランダム化比較試験
,
コホート研究
,
疫学
Keyword:
食物繊維
,
大腸癌
,
ランダム化比較試験
,
コホート研究
,
疫学
pp.872-875
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100443
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それまで常識と考えられてきた医学的知見の妥当性が,揺らいだり否定されたりすることが少なくない.その背景にはさまざまな要因があるが,最大の原因は研究の進歩であろう.ただし,研究の進歩といっても,それまで以上に質の優れた新しい研究の結果が常に一致するわけではなく,同じように優れた研究が互いに矛盾する結果を示すことも珍しくない.本稿では,癌の栄養疫学における「食物繊維の大腸癌予防仮説」をめぐる研究動向を事例に取り上げ,研究の進歩に伴う理論の変転の状況を紹介する.
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