Japanese
English
TOPICS 遺伝・ゲノム学
血漿中cell-free DNA/RNA解析による宇宙環境応答の評価
Evaluation of space environment responses via plasma cell-free DNA/RNA analysis
村谷 匡史
1
Masafumi MURATANI
1
1筑波大学医学医療系ゲノム生物学研究室
pp.230-231
発行日 2026年1月17日
Published Date 2026/1/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296030230
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宇宙医学研究でのリキッドバイオプシー解析
近年,“リキッドバイオプシー/液体生検(liquid biopsy)” は,医学研究のほか,がんゲノム医療などの地上の医療でも広く活用されつつある.この手法は,血液や体液中の細胞外核酸(cell-free DNA:cfDNA,cell-free RNA:cfRNA)などの分子を解析することで,体内組織の状態を比較的侵襲性の低い方法で推定できるのが特徴である.国際宇宙ステーション(International Space Station:ISS)では,ヒトを含む地球上の生物が宇宙の微小重力環境や放射線に曝されることにより起こる生体応答の研究が行われており,これらの成果は長期にわたる月や火星など深宇宙への有人探査や宇宙作業者・旅行者の健康リスクへの対応に必要なものである.宇宙飛行士を対象とした研究では,軌道上の限られたリソースでサンプリングできる血液を用いたリキッドバイオプシー解析により,宇宙環境が人体に与える分子レベルの影響を明らかにする研究が行われている.2019年に発表された米国航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration:NASA)のTwins Studyでは,双子の宇宙飛行士が参加し,地上と宇宙での身体の状況を比較した1).この研究では,宇宙滞在中の血漿中のミトコンドリアDNA(mtDNA)の増加のほか,テロメアの変化,免疫系などに関わる変化も報告された.
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