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第1土曜特集 宇宙生命科学の進歩と医学応用への展望
宇宙環境に関連した各研究対象と最新の知見
宇宙環境における生物リスク評価のためのDNA損傷検出デバイス
Lab-on-a-chip-based DNA damage detection approach for assessment of biological effects in space
中村 麻子
1
,
髙橋 健太
1
Asako J. NAKAMURA
1
,
Kenta TAKAHASHI
1
1茨城大学理工学研究科理学野,株式会社Dinow
キーワード:
DNA損傷
,
ヒストンH2AX
,
マイクロ流体デバイス
,
生物学的影響
Keyword:
DNA損傷
,
ヒストンH2AX
,
マイクロ流体デバイス
,
生物学的影響
pp.609-614
発行日 2021年11月6日
Published Date 2021/11/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27906609
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人類が宇宙空間に進出する一方で,宇宙空間における放射線被曝は生物リスクが最も大きい環境要因のひとつであり,宇宙放射線による生物学的影響を正確に把握することが求められている.放射線被曝による生物学的影響の多くは放射線誘発性のDNA損傷を起因として生じることから,近年,放射線によって生じたDNA損傷をモニタリングすることによる被曝線量評価,さらには健康リスク評価システムの開発が行われている.とくに,マイクロ流体デバイスを利用したDNA損傷検出システムは,宇宙環境における生物の健康管理を行うための新しい戦略として期待されている.これまで宇宙空間に向かうことがなかった人々の宇宙滞在や,長期にわたる宇宙旅行を安全に実現するにあたって,宇宙放射線を含む宇宙空間の環境ストレスの影響を,DNA損傷モニタリングによって評価し,健康リスクの管理をすることは,今後の宇宙医学研究および宇宙旅行ビジネスの運用のいずれにとっても重要となるであろう.
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