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Journal of Clinical and Experimental Medicine Volume 295, Issue 9 （November 2025）

医学のあゆみ 295巻9号（2025年11月発行）

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第5土曜特集心不全診療の未来戦略――ゲノム，AI，多臓器連関が拓く新時代

急速に進歩し続けるゲノム・オミクス研究のcutting edge

ゲノム解析が切り拓く心房細動の病態解明とリスク予測 Genomic insights into atrial fibrillation and risk prediction 宮澤一雄 ¹ Kazuo MIYAZAWA ¹ ¹The Broad Institute of MIT and Harvard Cardiovascular Disease Initiative ¹The Broad Institute of MIT and Harvard Cardiovascular Disease Initiative キーワード：心房細動 , ゲノムワイド関連解析（GWAS） , ポリジェニックリスクスコア（PRS） Keyword: 心房細動 , ゲノムワイド関連解析（GWAS） , ポリジェニックリスクスコア（PRS） pp.749-754

発行日 2025年11月29日 Published Date 2025/11/29

DOI https://doi.org/10.32118/ayu295090749

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参考文献 Reference

　心房細動は心不全としばしば併存し，患者の予後を悪化させる不整脈である．近年，大規模なバイオバンクデータの構築に伴いゲノムワイド関連解析（GWAS）が広く行われるようになり，多因子疾患の病態に関わる遺伝的背景が明らかになってきた．心房細動のGWASでは，心臓の発生や電気生理学的特性，心筋機能に関わるゲノム領域が疾患発症に寄与することが報告されている．さらに，ゲノム解析の結果を統合したポリジェニックリスクスコア（PRS）は，従来の臨床指標では捉えきれない個人レベルでのリスクを定量化し，さらに高い疾患予測能から関連する病態や予後予測に至る多面的な臨床的有用性を示している．これらの解析には解決すべき課題が残されているが，さらなるデータの蓄積と新しい解析手法の導入により，疾患の病態理解を推し進め，将来の精密化医療の実現に貢献すると期待される．