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第5土曜特集 脳科学研究が推進する うつ病の病態・診断・治療の発展
治療
うつ病のプレシジョンメディスンの実現に向けて
Towards precision medicine for depression
島本 優太郎
1,2,3
,
加藤 正樹
1
Yutaro SHIMAMOTO
1,2,3
,
Masaki KATO
1
1関西医科大学精神神経科
2同附属生命医学研究所ゲノム解析部門
3瀬田川病院
キーワード:
抗うつ薬
,
薬理遺伝
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
ポリジェニックリスクスコア(PRS)
,
miRNA
,
治療反応性の予測
Keyword:
抗うつ薬
,
薬理遺伝
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
ポリジェニックリスクスコア(PRS)
,
miRNA
,
治療反応性の予測
pp.1146-1152
発行日 2025年3月29日
Published Date 2025/3/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292131146
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2015年にオバマ大統領(当時)が “Precision Medicine” を宣言し,従来の平均化した治療法から,遺伝子情報,環境,ライフスタイルに関する個人ごとの違いを考慮した予防や治療法の確立が意識されるようになった.特に身体疾患領域においてゲノム情報の医療への活用が進むなか,精神疾患に関してはゲノム情報の臨床応用には至っておらず,うつ病については発症や薬物治療反応性に関わる機序も十分には解明されていない.この理由として,精神疾患の中枢は脳であり,容易に生検ができないために組織特異的なオミクス解析が困難であるだけでなく,疾患の特性として,単一ではなく多遺伝子の影響下にあり,さらに遺伝子のみならず環境との相互作用に関連している可能性が高いことも大きな要因である.本稿では,うつ病の治療選択におけるゲノム情報の活用を目指す研究について,その発展と経緯,現状,そして今後の課題について紹介する.

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