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第5土曜特集 マルチオミクスが解き明かす疾患の本質――統合的アプローチによる新たな知見
総論:マルチオミクス解析の基盤と技術
マルチオミクス解析による疾患病態解明とゲノム個別化医療の展望
Prospects for disease pathophysiology and personalized genomic medicine through multi-omics analysis
藤本 凜太郎
1,2,3
,
岡田 随象
1,2,3
Rintaro FUJIMOTO
1,2,3
,
Yukinori OKADA
1,2,3
1東京大学大学院医学系研究科遺伝情報学
2大阪大学大学院医学系研究科遺伝統計学
3理化学研究所生命医科学研究センターシステム遺伝学チーム
キーワード:
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
mQTL解析
,
ポリジェニックリスクスコア(PRS)
Keyword:
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
mQTL解析
,
ポリジェニックリスクスコア(PRS)
pp.725-729
発行日 2025年5月31日
Published Date 2025/5/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293090725
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ゲノムワイド関連解析(GWAS)によりさまざまな疾患の発症に関連する一塩基多型(SNP)が多数同定されてきた.しかし,それらの領域が疾患の発症にどのように寄与するかというメカニズムはいまだ多くが謎に包まれており,個人のゲノム情報を用いた個別化医療の実現には至っていない.一方,近年はトランスクリプトーム,プロテオーム,エピゲノムといったゲノム以外のオミクスデータが充実してきた.これらのマルチオミクスデータをゲノムやGWASの結果と統合することで,疾患リスクSNPの機能解釈や病態に関連する組織・細胞種を特定する手法も数多く開発されている.さらに,ポリジェニックリスクスコア(PRS)に基づいた予防医療により,個別化医療の基礎手法が確立されてきた.

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