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第1土曜特集 不整脈学の新潮流――基礎研究・医工連携からAIの社会実装まで
基礎研究
ゲノム解析からみえてきた疾患関連遺伝子とその機能
Disease-related genes and their functions revealed by genomic analyses
伊藤 薫
1
Kaoru ITO
1
1理化学研究所生命医科学研究センター循環器ゲノミクス・インフォマティクス研究チーム
キーワード:
ゲノム
,
遺伝的多型
,
心房細動
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
Keyword:
ゲノム
,
遺伝的多型
,
心房細動
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
pp.4-10
発行日 2024年4月6日
Published Date 2024/4/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289014
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ゲノム解析は生命のセントラルドグマの起点に位置するDNAの網羅的検索とその下流に位置するオミックス情報を活用し,疾患の遺伝的素因を明らかにするものである.近年のヒトゲノムデータの充実により,ゲノムと疾患との関わりが非常に多様であることがわかってきた.今まで,いわゆるメンデル遺伝の法則に従う遺伝子変異がブルガダ症候群や先天性QT延長症候群,カテコラミン誘発多形性心室頻拍などを引き起こすことは知られていたが,一般外来で頻回に診る心房細動などの疾患に,ゲノムがどのように関わっているかはあまりわかっていなかった.現在,ゲノムワイド関連解析(GWAS)が手法として成熟し,ゲノム情報の高密度化,サンプルサイズの増大,そして心筋組織のオミックス情報の充実により,ゲノム解析から遺伝子を通じて疾患の成因を同定することが可能となってきた.本稿では,遺伝性が明確でない一般的な心房細動を取り上げ,ゲノム解析により明らかになった疾患関連遺伝子とその機能,またそれらを俯瞰した時にみえる心房細動という病態について解説する.
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