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第5土曜特集 生活習慣病の克服に向けたゲノム医療――ゲノム医科学の進展と精密医療の実現
各論
【精神神経疾患】
日本人における新規孤発性アルツハイマー病感受性遺伝子の同定と解析
Novel variants associated with the risk of late-onset Alzheimer’s disease in Japanese
尾崎 浩一
1
Kouichi OZAKI
1
1国立長寿医療研究センターメディカルゲノムセンター疾患ゲノム研究部,理化学研究所生命医科学研究センター,広島大学医学部循環器内科学
キーワード:
アルツハイマー病(AD)
,
孤発性アルツハイマー病(LOAD)
,
遺伝率
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
エクソーム解析
,
ポリジェニックリスクスコア(PRS)
Keyword:
アルツハイマー病(AD)
,
孤発性アルツハイマー病(LOAD)
,
遺伝率
,
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
エクソーム解析
,
ポリジェニックリスクスコア(PRS)
pp.445-450
発行日 2021年7月31日
Published Date 2021/7/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27805445
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日本をはじめとする先進国では非常に高い高齢化率を示し,長寿社会を迎えている.一方で,認知症などの老年病への罹患率も上昇し,2025年には日本における認知症患者は700万人を超えるといわれている.認知症のなかで最も頻度が高い疾患であるアルツハイマー病(AD)の大部分は孤発性であり,糖尿病や循環器疾患などと同様に生活習慣病と捉えることができる.生活習慣病の発症には環境要因に加えて遺伝的要因が関係し,孤発性アルツハイマー病(LOAD)の発症においても近年の疫学的研究から非常に多くの遺伝的要因が関与していることが示されている.遺伝的要因データは生涯不変であり,早期に疾患などの遺伝的リスクが同定できれば,疾患発症の予防に役立つとともに発症メカニズム解明からの革新的な創薬も見据えることが可能になる.ADをはじめとする老年病においても遺伝的要因を解明し,革新的な診断,創薬といったゲノム医療につなげるためのバイオバンクの整備やバンキングされた試料のゲノム・オミクス解析,そのデータベースの構築・整備が進んできている.
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