連載 「形態機能学」で看護教員が教えられること・1【新連載】
物質の流通
渕野 佳澄
1
1東京都立府中看護専門学校
pp.134-139
発行日 2011年2月25日
Published Date 2011/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101683
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
東京都立看護専門学校7校で,授業研究として進められた「形態機能学」の計画と導入。本連載は,現在実際に教えられている5項目について,その具体的な内容と教える教員の葛藤を紹介するものである。
単元のとらえ方および授業計画
この単元は,形態機能学I(1単位)30時間のうち,8時間が配分されている。内容は,物質の流通路である血管,リンパ管およびその原動力である心臓である(表)。これまでの解剖生理学では,循環器系として教授されてきた部分である。
形態機能学の導入では,あらかじめ学生たちに,「形態機能学は,日常行っている生活行動が,どのようなからだの仕組みによってなされているか」という視点で学習していく科目であることを説明している。形態機能学の当単元以外は「動く」「食べる」「息をする」といった,動詞形で表現されており,比較的内容がイメージしやすい。しかし,この単元は,日常生活上のいわゆる「行動」とはなかなか結び付けにくい。そこで,循環機能は身体全体を統括していて,人が何をするときにもかかわっている,働いているという,生きていくうえでの源になる機能という意味で繋げ,理解できるように考えた。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.