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特集 造血幹細胞研究の革新と臨床応用への挑戦
造血発生機構を模倣してヒト多能性幹細胞を血液細胞へと分化誘導する
Modeling human embryonic hematopoietic development using pluripotent stem cell differentiation
入口 翔一
1
Shoichi IRIGUCHI
1
1京都大学iPS細胞研究所増殖分化機構研究部門
キーワード:
ヒト多能性幹細胞
,
免疫細胞治療
,
造血幹細胞
,
分化誘導
,
ヒト造血発生モデル
Keyword:
ヒト多能性幹細胞
,
免疫細胞治療
,
造血幹細胞
,
分化誘導
,
ヒト造血発生モデル
pp.663-668
発行日 2025年11月22日
Published Date 2025/11/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295080663
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ヒト多能性幹細胞から造血幹細胞と成熟血液細胞を分化誘導する技術は,in vitroでのヒト発生モデルを提供するだけでなく,免疫細胞治療に供する細胞ソースとしても有用である.これまでヒト多能性幹細胞からT細胞などの成熟血液細胞を分化誘導することは達成されたものの,遺伝子改変を介さずin vitroで造血幹細胞を作製することは困難であった.最近,複数の研究グループから造血幹細胞の作製に成功したという報告がなされた.今後,作製された造血幹細胞の詳細な機能解析と誘導条件の最適化とともに,生体内で分化した成熟血液細胞の機能解析が進むものと思われる.本稿では,ヒト多能性幹細胞から造血幹・前駆細胞を分化誘導するうえで重要な胎児造血の知見と,分化誘導培養系の発展について解説する.

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