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特集 造血幹細胞研究の革新と臨床応用への挑戦
白血病幹細胞研究の展望
Perspectives on leukemic stem cell research
雁金 大樹
1
Daiki KARIGANE
1
1東京科学大学大学院医歯学総合研究科血液内科学
キーワード:
急性骨髄性白血病(AML)
,
白血病幹細胞(LSC)
,
自己複製能
Keyword:
急性骨髄性白血病(AML)
,
白血病幹細胞(LSC)
,
自己複製能
pp.669-672
発行日 2025年11月22日
Published Date 2025/11/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295080669
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急性骨髄性白血病(AML)で最初に同定された白血病幹細胞(LSC)は,正常造血幹細胞(HSC)と同様に “自己複製能” を持つが,多分化能は欠如し,骨髄系への分化に制限される.従来はCD34+CD38-画分がLSCとされてきたが,実際にはCD34-や分化細胞の一部にも生着能が認められ,HSCの概念をそのまま当てはめることはできない.免疫不全マウスモデルやiPS細胞由来骨髄オルガノイドを用いた検討により,生着能評価の限界や多様性が浮き彫りになっている.さらに分化細胞の脱分化や単球系LSC(m-LSC)の存在が報告され,AMLにおける幹細胞像は一層複雑化している.根治には未分化細胞に限らず,自己複製能を持つすべての細胞を標的とする治療戦略が必要である.

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