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特集 造血幹細胞研究の革新と臨床応用への挑戦
造血幹細胞と多臓器連関
Interaction between hematopoietic stem cells and other organs
三原田 賢一
1,2
Kenichi MIHARADA
1,2
1熊本大学国際先端医学研究機構
2ルンド大学幹細胞研究所
キーワード:
多臓器連関
,
胎児肝
,
脾臓
,
交感神経
Keyword:
多臓器連関
,
胎児肝
,
脾臓
,
交感神経
pp.659-662
発行日 2025年11月22日
Published Date 2025/11/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295080659
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造血幹細胞は,成体では骨髄腔の微小環境に存在する細胞であるが,胎児発生時には骨髄外で誕生し,その後に胎盤や肝臓などさまざまな臓器の中を旅して出生前後に骨髄に到着する.その過程で特に胎盤と胎児肝は重要な役割を担っており,造血幹細胞が最も積極的な増殖を行う場である.出生後は生理学的な状況下では主に休眠期にあり,骨髄でひっそりと造血を行うが,ストレス環境下や妊娠時など,より積極的な造血が必要とされる場合には,脾臓など他臓器へも移動することが知られている.近年,なぜ,またどのように他臓器と連携しているのか,その分子機序が明らかにされつつある.ここでは最新の知見を中心に,造血幹細胞のダイナミックな多臓器連関について紹介する.

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