Japanese
English
TOPICS 癌・腫瘍学
RNAスプライシング異常に由来する腫瘍特異的抗原の探索
Aberrant alternative splicing-derived tumor-specific neoantigens
根城 尭英
1
,
岡田 秀穂
1
Takahide NEJO
1
,
Hideho OKADA
1
1カリフォルニア大学サンフランシスコ校脳神経外科
1Department of Neurological Surgery, University of California, San Francisco
pp.601-602
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295070601
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近年のがん免疫治療研究が血液系腫瘍を中心に著しい進歩を示す一方,固形腫瘍に対する免疫治療は依然として大きな課題である1).特に神経膠腫(グリオーマ)では遺伝子変異由来のがん特異的抗原(neoantigen)の希少性や患者間の不均一性が治療開発を阻む要因と考えられる2).そのため,がん特異的抗原のレパートリーの拡張が必要と考えられ,例としてがん特異的な選択的スプライシング(alternative splicing:AS)が近年注目を集めている.ASは有核細胞に備わる生理的機能で,DNAから転写されたpre-mRNAから成熟mRNAが生成される際に異なるパターンでイントロン除去とエクソン再結合がなされ多様なアイソフォームを形成し,タンパクの多様性に寄与する.がん細胞ではしばしばASの制御異常が生じ,正常では存在しないがん特異的な異常タンパクが生成される3-5)(図1).筆者らは,グリオーマにおいてがん免疫治療の標的となり得るAS由来のがん特異的抗原の探索を行った6,7).
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