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特集 電子顕微鏡が照らす医学研究の最前線
三次元相関光電子顕微鏡法により明らかとなった気道防御反射を担う希少感覚上皮細胞
Rare sensory epithelial cells responsible for the airway defense reflex revealed by three-dimensional correlated light-electron microscopy
樽野 陽幸
1
Akiyuki TARUNO
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科細胞生理学
キーワード:
チャネルシナプス
,
タフト細胞
,
咳
,
嚥下
Keyword:
チャネルシナプス
,
タフト細胞
,
咳
,
嚥下
pp.596-600
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295070596
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喉(喉頭および咽頭)は,誤嚥から肺を守るための咳嗽や嚥下といった気道防御反射の起点となっている.喉頭や咽頭粘膜に対する化学刺激がこれらの反射を引き起こすことが知られていたものの,その細胞分子メカニズムは謎であった.今回,筆者らはシングルセルトランスクリプトーム解析や三次元相関光電子顕微鏡法(3D-CLEM)などの技術を駆使して,特殊なシナプス様式――チャネルシナプス――を介して迷走神経に神経伝達を行い,咳嗽や嚥下を惹起する感覚上皮細胞を喉に発見し,その細胞内シグナルを解明した.今後,これらの細胞はアンメットニーズとして知られる慢性咳嗽や嚥下障害の創薬標的となることが期待される.

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