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第1土曜特集 エピゲノム編集の進歩と医療応用への道
エピゲノム編集への応用を視野に入れたLNP型核酸デリバリーシステムの現状と将来
Current status and future prospects of LNP-based nucleic acid delivery systems towards application to epigenome editing
西山 伸宏
1,2
Nobuhiro NISHIYAMA
1,2
1東京科学大学総合研究院化学生命科学研究所
2川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンター
キーワード:
ドラッグデリバリーシステム(DDS)
,
メッセンジャーRNA(mRNA)
,
脂質ナノ粒子(LNP)
Keyword:
ドラッグデリバリーシステム(DDS)
,
メッセンジャーRNA(mRNA)
,
脂質ナノ粒子(LNP)
pp.407-412
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295050407
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エピゲノム編集をin vivoで実現し,疾患治療へと応用するためには,メッセンジャーRNA(mRNA)などの核酸分子を患部選択的に送達するドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発が必要不可欠である.核酸分子のDDSとしては脂質ナノ粒子(LNP)がmRNAワクチンとして実用化され,感染症の予防のみならず,がん治療への応用が期待されている.そこで本稿では,LNPの基礎(脂質小分子の設計からLNPの調製法まで)と世界中で進められている臨床試験に加え,患部選択的な核酸デリバリーの実現に向けたLNPの課題と,それを解決するための最先端の取り組みについて概説する.その技術のひとつとして,筆者らが取り組んでいるLNPの表面修飾のためのスマートシェル技術に関しても紹介させていただきたい.現在,LNPは国際的な開発競争が加熱しているが,国内の化学メーカーは医薬品開発業務受託機関(CDMO)ビジネスに注力しており,産学連携によるわが国発の画期的なデリバリーシステムが創出されることがおおいに期待される.

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