Japanese
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TOPICS 薬剤学
核酸・mRNAのドラッグデリバリーシステムと製剤化
Drug delivery system and formulation technology for the delivery of nucleic acids and mRNA
小川 昂輝
1
,
田上 辰秋
1
,
尾関 哲也
1
Koki OGAWA
1
,
Tatsuaki TAGAMI
1
,
Tetsuya OZEKI
1
1名古屋市立大学大学院薬学研究科薬物送達学分野
pp.205-206
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28903205
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mRNAワクチンという革新的なワクチンの登場によって,新型コロナウイルス感染症は収束に向かっている.2023年には人工mRNAに用いられる修飾塩基の発見でmRNAワクチン開発に貢献した研究者らがノーベル賞を受賞した.一方でmRNAなどの核酸は生体内で非常に分解されやすいうえ,水溶性高分子のために注射したとしても細胞内にほとんど入らないため,単体では効果を発揮できない.そのため,mRNAを医薬品として用いるには,目的の細胞にmRNAを送達するドラッグデリバリーシステム(DDS)技術が不可欠である.今回の新型コロナウイルスに対するmRNAワクチンはこれまでの長い薬剤学研究によって培われてきたDDS技術の成果である.本稿ではmRNA・核酸医薬に用いられるDDSについて薬剤学的な視点から説明し,筆者らの進めている研究について紹介する.
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