連載 失敗例から学ぶプレゼンテーション患者説明から学会発表まで・8
デリバリー技術
田中 雅美
1
,
植田 育子
2
,
竹本 文美
3
,
八幡 紕芦史
4
1津田沼中央総合病院病理センター
2慶應義塾大学医学部循環器内科
3独立行政法人地域医療機能推進機構東京城東病院内科
4国際プレゼンテーション協会
pp.2404-2408
発行日 2014年12月10日
Published Date 2014/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200195
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無くて七癖
あなたは医学生に呼吸器疾患の講義を行うことになった.学生にわかりやすい講義をしようと,前日の深夜までプレゼンの準備に精を出した.多くのビジュアル・スライドを作成し,何度も繰り返し練習をした.しかし,スライドに沿って話をすると,話の流れがちぐはぐになる.そこで,スライドを入れ替えたり,追加したりしてみた.しかし,どうもしっくりこない.いろいろと試行錯誤したが,うまくいかない.あなたは,夜も更けてきたので,何とかなるだろうと準備を終えた.
講義の当日,あなたは寝不足がたたってか,元気のない声でボソボソと話し始めた.演台のパソコンモニターとスクリーンを交互に見ながら,「え〜,間質性肺炎の原因には,関節リウマチや,あのう〜,多発性皮膚筋炎などの,ええっと,膠原病など様々な,え〜,疾患が,あ〜,あることが知られていますが,そのう〜,原因を特定できない間質性肺炎を,ええっと,“特発性間質性肺炎”といいますが…」と,何度もつっかえながら話を始めた.その後も,どうも思うように言葉が出てこない.
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