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特集 健康食品・サプリメントによる健康被害を防ぐ
“紅麹サプリメント事件” が投げかけた課題
Issues raised by the “Red Yeast Rice Supplement Incident”
曽根 博仁
1,2,3
Hirohito SONE
1,2,3
1新潟大学大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科
2同健康教育イノベーションセンター
3同ビッグデータアクティベーション研究センター
キーワード:
紅麹
,
サプリメント
,
機能性食品
,
健康食品
,
食の安全
Keyword:
紅麹
,
サプリメント
,
機能性食品
,
健康食品
,
食の安全
pp.1124-1128
発行日 2025年9月20日
Published Date 2025/9/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294121124
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甚大な健康被害をもたらした “紅麹サプリメント事件” が勃発してから1年余りが経過した.原因としては,製造過程で混入した青カビ生成物による腎障害であったことが判明したが,単なる一企業の事故にとどまらず,健康食品・サプリメント全体の安全性に関して,さまざまな構造的課題を浮き彫りにした.特に製造企業が,健康被害の適切な医学的評価を行わず,公表が大幅に遅れたことが被害拡大の最大要因となった.本稿では事件の経緯,被害拡大の背景,本事件を契機に行われた制度改正の内容,さらに健康食品に対するリスク認識と情報共有のあり方などについて整理,考察した.再発防止に向け,業界,国,医療者,消費者それぞれの連携と役割分担が必要であるが,特に今回整備された国主導の健康障害事例の収集モニタリング体制のなかで,医療者からの報告の重要性がますます大きくなるものとみられる.

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