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第5土曜特集 止血・血栓・凝固の最新知見――研究と臨床を繋ぐ
血栓止血関連検査
血液凝固因子と凝固制御因子の機能と検査
Function and laboratory tests for blood coagulation factors and inhibitors
窓岩 清治
1
Seiji MADOIWA
1
1東京都済生会中央病院臨床検査医学科
キーワード:
凝固因子
,
凝固制御因子
,
凝固検査
Keyword:
凝固因子
,
凝固制御因子
,
凝固検査
pp.646-652
発行日 2025年8月30日
Published Date 2025/8/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294090646
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生体内での止血機構は,血管の機能,血小板機能,血液凝固(凝固)および線維素溶解(線溶)機能の密接な相互作用により進行する.血小板は,リン脂質を反応の場として提供することにより凝固反応の活性化に寄与し,凝固反応は血液成分と内皮下組織との接触が起点となる.また,凝固反応は血管内皮細胞上に存在する複数の因子により緻密に制御されている.凝固検査に際しては,採血時の組織液混入やヘパリンなどの抗凝固薬の混入など,検体の取り扱いに注意する.プロトロンビン時間(PT)や活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は,それぞれ外因系および内因系の凝固因子の活性を総合的に捉える機能検査である.ヘパリンや直接阻害型経口抗凝固薬(DOACs)などの薬剤は,凝固因子や凝固制御因子の活性値に影響を及ぼし,偽低値や偽高値をきたすことがある.

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