特集 血栓・止血の異常を理解する―広くて深い基礎知識
[Chapter 3] 血栓・止血に関連する薬剤
線溶薬,抗線溶薬
林 朋恵
1
1金沢市立病院 血液内科
キーワード:
線溶
,
プラスミノゲン
,
プラスミン
,
プラスミノゲンアクチベータ(PA)
,
血栓溶解療法
,
tranexamic acid
Keyword:
線溶
,
プラスミノゲン
,
プラスミン
,
プラスミノゲンアクチベータ(PA)
,
血栓溶解療法
,
tranexamic acid
pp.815-818
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_815
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▪線溶とは,凝固反応によって生じた過剰なフィブリンを溶解する反応のことをいう.
▪プラスミノゲンを活性化するプラスミノゲンアクチベータ(PA)とフィブリンを分解するプラスミンより構成され,同反応を増強させることで過剰な血栓を溶解する薬が線溶薬であり,同反応を阻害することで線溶亢進が関与する出血への止血効果を期待するのが抗線溶薬である.
▪alteplaseによる血栓溶解療法は発症後4.5時間以内の急性期脳梗塞症例に対して用いられるが,適正使用指針に準拠した使用が推奨される.
▪tranexamic acidは線溶亢進が関与する出血症状に適応があるが,尿路出血や顕著な線溶活性化を伴う非感染性播種性血管内凝固症候群(DIC)症例においては慎重な判断が望まれる.
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