特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査
血栓症の病態
2.血栓形成のしくみ
3)凝固・凝固制御因子系
森下 英理子
1
,
松田 保
2
Eriko MORISHITA
1
,
Tamotsu MATSUDA
2
1金沢大学医学部附属病院検査部
2金沢大学医学部第三内科
pp.25-28
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903064
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血液凝固機序
1.止血と血栓
出血の際に,破綻した血管が細小血管であるときは,血小板の粘着と凝集のみによって止血が可能であるが,比較的大きい血管が破綻したときには,血液の凝固,つまりフィブリンの形成が必要である.ところが血管が破綻していないのに,止血機序が強力に動き,血液の凝固によって血管が閉塞することがある.これが血栓症である.このように,止血の機序と血栓発現の機序は,同一の現象であると考えられる.
血液の凝固反応は,その開始機序の違いから外因系凝固と内因系凝固に大別される.生理的な止血機序は,主に外因系凝固の活性化によるものと考えられている1).
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