今月の主題 血栓症と抗血栓薬
血栓症の基礎—最近の研究の進歩
血液凝固制御因子と血栓形成
丸山 征郎
1
1鹿児島大学医学部臨床検査医学
pp.698-700
発行日 2000年5月10日
Published Date 2000/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907447
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●血液凝固系は,カスケード反応であり,かつリン脂質膜上でビタミンK依存性の凝固因子が分子集合して爆発的に進行する過剰反応型である.
●それに比して,この爆発的凝固反応を制御するインヒビターは種類も予備能も少ない.したがって,凝固系は促進系が制御系に比べて優位になっている.
●しかし,この過剰反応型の凝固系は内皮細胞依存性に効率よく制御されている.そこで内皮細胞が障害されると制御が破綻して血栓傾向となる.そのような内皮細胞障害因子としては,現代的には糖化蛋白,酸化変性LDLなどが重要である.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.