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特集 データシェアリングと個人情報保護の課題
欧州健康データ空間(EHDS)規則の概要
Overview of the European health data space regulation
黒田 佑輝
1
Yuki KURODA
1
1大江橋法律事務所
キーワード:
欧州健康データ空間(EHDS)
,
二次利用
Keyword:
欧州健康データ空間(EHDS)
,
二次利用
pp.1052-1056
発行日 2025年6月14日
Published Date 2025/6/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293111052
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欧州健康データ空間(EHDS)規則は,EU全体の健康データ利用に関する法律で,2025年に正式に制定された.全9章105条からなり,①一次利用(国境を跨いだ患者診療),②EHR(電子健康記録)システム規制,③二次利用(医学研究,製品開発など)の3つの柱で構成される.二次利用については,対象となる健康データを保有する者に,健康データ利用者の二次利用のためにデータを提供する義務が課される.保有者と利用者の間には,各国に設置される健康データアクセス機関が介在し,健康データ利用者の利用申請の審査や,健康データ保有者から提供を受けた健康データを安全な処理環境を通じて提供するなどの業務を行う.EHDS規則は2029年から本格適用予定であるが,すでに準備プロジェクトが進行中である.日本への影響としては,直接利用は難しいが共同研究や欧州支社を通じた利用可能性があり,日本の制度構築の参考にもなっている.

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