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特集 データシェアリングと個人情報保護の課題
ゲノム情報とデータシェアリングの意義
Significance of genomic information and data sharing
荻島 創一
1,2
Soichi OGISHIMA
1,2
1東北大学高等研究機構未来型医療創成センター
2東北メディカル・メガバンク機構医療情報ICT部門ゲノム医科学情報学分野
キーワード:
ゲノム情報
,
データシェアリング
,
意義
Keyword:
ゲノム情報
,
データシェアリング
,
意義
pp.1047-1051
発行日 2025年6月14日
Published Date 2025/6/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293111047
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ヒトゲノム計画の完了により全遺伝情報が明らかとなったことで,ゲノム情報を医療に活用する時代への扉が開かれた.そして,次世代シーケンサー(NGS)が実用化された現在においてゲノム解析は加速度的に進展し,必要となるコストも指数関数的に低下している.それに伴い,世界各国において大規模ゲノムコホートの構築が競うように進められ,個別化予防・医療,精密医療の研究開発がはじまった.さらには,国際共同研究も活発化し,膨大なゲノム情報と健康医療情報が共有されつつある.本稿では,ゲノム医療のさらなる発展に欠かせないデータシェアリングの意義を述べるとともに,そこに存在する課題について,プライバシーとセキュリティの問題,データ標準化・相互運用性の問題,法制度・倫理・ベネフィットシェアリングの問題を中心に概説し,近く到来するだろうゲノム社会を展望する.

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