特集 データヘルスで変わる病院
データヘルスの実践事例
次世代医療基盤法に基づくデータヘルス—千年カルテプロジェクトの今と今後
荒木 賢二
1,2
1宮崎大学医学部附属病院 病院IR部
2日本医療ネットワーク協会
キーワード:
医療情報
,
二次利用
,
臨床研究
,
経営分析
Keyword:
医療情報
,
二次利用
,
臨床研究
,
経営分析
pp.697-700
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211492
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■千年カルテとは
千年カルテプロジェクトは,2015年から始まった全国共同利用型国際標準化健康・医療情報の収集及び利活用に関する研究プロジェクトのニックネームであり,法人としては一般社団法人ライフデータイニシアティブ(LDI)が認定事業者である.LDIは,2019年12月19日に第1号の次世代医療基盤法注1による認定匿名加工医療情報作成事業者(認定事業者)となった.
いわゆる千年カルテには,二つの法人が関わっている(図1).一つは,認定事業者となったLDIである.こちらは,病院など(医療情報取扱事業者)から提供を受けた顕名医療情報を匿名加工して,さまざまな研究者(匿名加工医療情報取扱事業者)に提供することが業務である.もう一つは,特定非営利活動法人日本医療ネットワーク協会(JMNA)である.こちらは,主に顕名医療情報を用いた地域での医療情報共有(EHR)や患者への医療情報提供(PHR)を業務としている.この二つの法人が実施する千年カルテプロジェクトは,次世代医療基盤法における認定事業者として医療の発展に貢献する医療情報の利活用機能と,個人情報保護法に準拠した臨床に役立つEHR機能を融合し,日本の健康長寿社会の実現を目指している.
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