Japanese
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特集 データシェアリングと個人情報保護の課題
医療データシェアリングの意義
Significance of medical data sharing
山本 隆一
1
Ryuichi YAMAMOTO
1
1医療情報システム開発センター
キーワード:
データシェアリング
,
二次利用
,
権利保護
,
標準化
,
データガバナンス
Keyword:
データシェアリング
,
二次利用
,
権利保護
,
標準化
,
データガバナンス
pp.1036-1040
発行日 2025年6月14日
Published Date 2025/6/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293111036
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本稿では,医療データシェアリングの意義と課題について述べた.「データシェアリングの必要性と意義」の項では,ゲノムデータのシェアリングが進んでいるが,医療データ全体でのシェアリングも重要であること,医療データは個人の健康維持や回復のために収集されるが,二次利用として医学的知識や科学的評価に用いることも重要であることを述べた.「権利保護に関わる課題」の項では,医療データはプライバシーに機微な情報であり,二次利用には本人の同意が必要な場合が多いことや,知的財産権や経済的観点からの課題について解説した.「デジタル化の推進と標準化」の項では,医療データのデジタル化は進んでいるが,アウトカム情報のデジタル化はまだ十分ではなく,データシェアリングには標準化が必要であり,たとえば測定法の違いが問題となることがあることを述べた.「データガバナンス」の項では,データの安全管理やライフサイクル管理が重要であり,適切なガバナンスが求められることについて詳述した.最後に,医療データのデジタル化とシェアリングは進んでおり,適切なデータシェアリングを推進することが重要であることを述べた.

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