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第5土曜特集 マルチオミクスが解き明かす疾患の本質――統合的アプローチによる新たな知見
疾患別マルチオミクス解析の最新動向
【免疫・感染症】
リウマチ性疾患のマルチオミクス解析
Multi-omics analysis of rheumatic diseases
藤尾 圭志
1
Keishi FUJIO
1
1東京大学大学院医学系研究科内科学専攻アレルギー・リウマチ学
キーワード:
全身性エリテマトーデス(SLE)
,
関節リウマチ(RA)
,
シングルセルRNAシークエンス(scRNA-seq)
,
空間分子解析
Keyword:
全身性エリテマトーデス(SLE)
,
関節リウマチ(RA)
,
シングルセルRNAシークエンス(scRNA-seq)
,
空間分子解析
pp.885-889
発行日 2025年5月31日
Published Date 2025/5/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293090885
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リウマチ性疾患は自己免疫応答により臓器炎症を生じる疾患である.その病態は長らく不明であったが,末梢血および炎症臓器のマルチオミクス解析により,臓器炎症に関わる自然免疫および適応免疫を担う細胞が明らかとなってきた.特に末梢血の新たなサブセットや,末梢血とは異なる特徴を持つ炎症臓器の新たなサブセットが次々に報告され,マクロファージ,樹状細胞(DC),T細胞などの免疫細胞と,尿細管などの実質細胞,線維芽細胞などの間質細胞とのダイナミックな相互作用が明らかとなってきている.今後,免疫細胞の応答をベースにした層別化が期待される.本稿では,主に全身性エリテマトーデス(SLE)と関節リウマチ(RA)に焦点を当てて,マルチオミクス解析の進展を概説してみたい.

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