Japanese
English
第5土曜特集 難治性免疫疾患――病態解明と新規治療戦略
免疫疾患の病態へのアプローチ
自己免疫疾患におけるB細胞の役割と新規治療戦略
Role of B cells in autoimmune diseases and novel therapeutic strategies
岩田 慈
1
,
田中 良哉
1
Shigeru IWATA
1
,
Yoshiya TANAKA
1
1産業医科大学医学部第1内科学講座
キーワード:
自己免疫疾患
,
B細胞
,
関節リウマチ(RA)
,
全身性エリテマトーデス(SLE)
,
免疫代謝
Keyword:
自己免疫疾患
,
B細胞
,
関節リウマチ(RA)
,
全身性エリテマトーデス(SLE)
,
免疫代謝
pp.694-700
発行日 2021年5月29日
Published Date 2021/5/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27709694
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
B細胞は,さまざまな自己免疫疾患の病態形成において重要な役割を果たすことが知られるが,その分化・機能異常については依然不詳である.関節リウマチ(RA)では,抗シトルリン化ペプチド(CCP)抗体(ACPAs)産生B細胞の分化機構やその病態への関与が次第に明らかとなってきた.また,全身性エリテマトーデス(SLE)患者では健常人に比しCD11c+T-bet+ B細胞が増加しており,自己抗体産生や腎障害などの病態と深く関与することが盛んに報告されている.また2017年に,わが国においても可溶性BAFFに対するヒト型抗体ベリムマブが,既存治療に効果不十分なSLEに対して適応承認された.その他,一次性シェーグレン症候群,抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎(AAV),強皮症などの自己免疫疾患におけるB細胞異常が次第に明らかとなっており,とくにAAVでは2013年にわが国においてもキメラ型抗CD20モノクローナル抗体であるリツキシマブが承認され,画期的な治療の進歩がみられた.本稿では,それぞれの自己免疫疾患におけるB細胞異常とその病態への関与について,自施設のデータも踏まえ紹介する.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.