Japanese
English
特集 腸内細菌と免疫
腸内細菌とリウマチ性疾患
Altered composition of gut microbiota in rheumatic diseases
前田 悠一
1,3
,
真鍋 侑資
1
,
熊ノ郷 淳
1,2,3
Yuichi MAEDA
1,3
,
Yusuke MANABE
1
,
Atsushi KUMANOGOH
1,2,3
1大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学
2同免疫学フロンティア研究センター感染病態
3同先導的学際研究機構生命医科学融合フロンティア研究部門
キーワード:
関節リウマチ(RA)
,
腸内細菌叢
,
dysbiosis
,
Prevotella
Keyword:
関節リウマチ(RA)
,
腸内細菌叢
,
dysbiosis
,
Prevotella
pp.761-765
発行日 2021年8月28日
Published Date 2021/8/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27809761
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近年,腸内細菌叢の割合の変化(dysbiosis)がさまざまな疾患で報告されるようになってきている.そのなかには,dysbiosisが疾患の原因となりうることが報告されている.関節リウマチ(RA)は遺伝的素因だけでなく,さまざまな環境因子がその病態に関与していることが知られている.筆者らは,発症初期のRA患者と健常人の腸内細菌叢を解析した.一部のRA患者で健常人にはない,Prevotella copriが著明に増加している腸内細菌叢を有していることが明らかとなった.RAで認められる腸内細菌叢の変化が,RAの結果なのか,原因となるのかを解析するために,関節炎を発症するSKGマウスをgerm-free化し,健常人(HC)型,RA型の腸内細菌叢を定着させ,HC-SKGマウス,RA-SKGマウスを作製した.そして,RA-SKGマウスは,HC-SKGマウスに比べて重症の関節炎を発症した.メタゲノムショットガンシークエンス法では,Prevotella denticolaなどのPrevotella属細菌がRA患者で増加していることが確認された.この結果から,RA患者で認められる腸内細菌叢の変化は,RAの発症に深く関わっていることが示唆された.
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