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第5土曜特集 マルチオミクスが解き明かす疾患の本質――統合的アプローチによる新たな知見
疾患別マルチオミクス解析の最新動向
【免疫・感染症】
RNA分解制御による免疫調節
RNA degradation:A key modulator of immune response
三野 享史
1
,
竹内 理
1
Takashi MINO
1
,
Osamu TAKEUCHI
1
1京都大学大学院医学研究科医学専攻分子生体統御学講座医化学分野
キーワード:
炎症性疾患
,
炎症性サイトカイン
,
RNA分解
,
翻訳
,
Regnase-1
Keyword:
炎症性疾患
,
炎症性サイトカイン
,
RNA分解
,
翻訳
,
Regnase-1
pp.876-884
発行日 2025年5月31日
Published Date 2025/5/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293090876
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自然免疫細胞は病原体の侵入を最初に検知し,炎症性サイトカインなどの免疫関連遺伝子の転写を誘導して炎症を惹起するとともに,獲得免疫系を活性化し,免疫記憶を誘導する.一方,過剰な炎症性サイトカインの産生は自己免疫疾患と関連する.転写された免疫関連遺伝子のmRNAの免疫細胞内での量はRNA分解制御により厳密に制御されており,RNA分解制御は正常な免疫活性化の収束と過剰な活性化の抑制に重要な役割を担っている.オミクス解析は免疫制御研究の進展にも大きく貢献している.本稿ではオミクス解析を用いて,RNA制御を通じた免疫調節機構に関して,特にRNA分解制御に関わるRegnase-1の制御メカニズムを題材として議論したい.

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