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第5土曜特集 マルチオミクスが解き明かす疾患の本質――統合的アプローチによる新たな知見
総論:マルチオミクス解析の基盤と技術
マルチオミクス研究推進基盤としてのバイオバンク
Empowering multi-omics research with biobank platforms
木下 賢吾
1
Kengo KINOSHITA
1
1東北大学大学院情報科学研究科生命情報システム科学分野
キーワード:
バイオバンク
,
マルチオミクス解析
,
東北メディカル・メガバンク(TMM)計画
,
コホート研究
,
個別化医療
Keyword:
バイオバンク
,
マルチオミクス解析
,
東北メディカル・メガバンク(TMM)計画
,
コホート研究
,
個別化医療
pp.730-736
発行日 2025年5月31日
Published Date 2025/5/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293090730
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バイオバンクは,ゲノム医療実現のために欠かせないインフラとなりつつある.そのなかのひとつである東北メディカル・メガバンク(TMM)計画に基づき構築された,日本最大規模の一般住民バイオバンクであるTMMバイオバンクは,宮城県と岩手県の約8万人を対象とした地域コホートと,約7万人の妊婦およびその家族を対象とした三世代コホートからなり,疾患発症や死亡などのアウトカム情報とリアルワールドデータ(RWD)の統合を進めている.また,血漿,血清,尿などの生体試料に加え,ゲノム,メタボロームなどのマルチオミクス情報を収集し,研究者に提供している.データ提供は分譲と共同研究の二方式があり,データの安全性を保つ “Data visiting方式” が推進されている.本稿では,利用の具体例も交えながら利用できるデータを概観することで,インフラとしてのバイオバンクの重要性を概観する.

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