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第5土曜特集 遺伝統計学の新潮流――新規創薬・個別化医療への挑戦
遺伝統計学と疾患オミクス研究
がん種・人種横断的なゲノムワイド関連解析
Pan-cancer and cross-population genome-wide association studies
佐藤 豪
1,2
,
岡田 随象
1,3,4
Go SATO
1,2
,
Yukinori OKADA
1,3,4
1大阪大学大学院医学系研究科遺伝統計学
2同消化器外科学
3東京大学大学院医学系研究科遺伝情報学
4理化学研究所生命医科学研究センター システム遺伝学チーム
キーワード:
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
遺伝的相関
,
乳がん
,
前立腺がん
Keyword:
ゲノムワイド関連解析(GWAS)
,
遺伝的相関
,
乳がん
,
前立腺がん
pp.1154-1159
発行日 2024年3月30日
Published Date 2024/3/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu288131154
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近年,複数のがん種を統合するゲノム解析がいくつか報告されているが,それらのほとんどは欧米人のゲノムデータを解析したものである.筆者らは,日本人および欧米人のバイオバンクを活用し,13種類のがん種を対象として,がん種・人種横断的なゲノムワイド関連解析(GWAS)を実施した.複数のがん種の発がんリスクに影響を与える新規疾患感受性領域を複数同定し,こうした包括的なアプローチが非常に有用であることを示した.また,13がん種間の遺伝的相関を評価することで,乳がんと前立腺がんの間に人種を超えた有意な正の相関があることを明らかにした.乳がんと前立腺がんに関する最大規模のメタ解析の結果を用いて,両がん種間で共通する発がんの背景について検討を行った.遺伝的要因が共通したがん種のペアに注目した解析を行うことで,複数のがん種に共通する,より根本的な発がんプロセスが明らかになる可能性が示された.
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