Japanese
English
特集 少子化時代の妊孕性温存療法
男性がん患者における妊孕性温存療法
Fertility preservation therapy in male cancer patients
小林 秀行
1
,
永尾 光一
1
Hideyuki KOBAYASHI
1
,
Koichi NAGAO
1
1東邦大学医学部泌尿器科学講座
キーワード:
抗がん剤
,
無精子症
,
精子凍結
,
精巣内精子採取
Keyword:
抗がん剤
,
無精子症
,
精子凍結
,
精巣内精子採取
pp.284-287
発行日 2025年4月26日
Published Date 2025/4/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293040284
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
男性がん患者に対するがん治療は造精機能に深刻な影響を与えるため,妊孕性温存が推奨される.精子の凍結保存はマスターベーションによる採取が一般的であるが,困難な場合はマスターベーション補助具や精巣内精子採取術(TESE)が検討される.思春期前の小児がん患者では,TESEによる精巣組織の凍結が選択肢としてあるが,ヒトでの有効性は未確立である.化学療法や放射線治療は造精機能に不可逆な障害を及ぼす可能性があり,精子凍結は治療開始前に行う必要がある.妊孕性温存療法の費用は一部公的助成が受けられ,2021年から助成制度が拡充された.がん治療後の妊娠に際しては,遺伝毒性のある薬剤の影響を回避するため,最終投与日から一定の避妊期間が求められる.妊孕性温存を希望する男性がん患者は,がん治療医を含むヘルスケアプロバイダーと生殖医療専門医の連携による早期の支援が推奨されている.

Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.