特集 がん治療のリアル
がん治療—患者の立場から
菊井 伸栄
1
Nobue KIKUI
1
1川崎医科大学総合医療センター
キーワード:
抗がん剤
,
抗がん剤副作用
,
キャンサーサバイバー
Keyword:
抗がん剤
,
抗がん剤副作用
,
キャンサーサバイバー
pp.840-844
発行日 2021年8月15日
Published Date 2021/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202389
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入院までの経過から手術まで
2014年8月4日,私は卵巣破裂による緊急手術後,卵巣癌と診断されました.既往に子宮内膜症・チョコレート囊胞がありました.緊急手術となる1か月前の検診で,腫瘍マーカーの上昇を指摘され腹部computed tomography(CT)検査を行いましたが,腫瘍マーカーの上昇は子宮内膜症によるものとされ経過観察していました.私は若いころから子宮内膜症による月経困難があり,疼痛は比較的慣れていたため,仰臥位で寝ることができない腹痛が3日ほど続きましたが,鎮痛薬内服でどうにか出勤していました.職場の看護主任から「倒れる前に受診してください」と言われ,ようやく自分の顔色不良に気づき,婦人科を受診したところ,卵巣腫大と炎症所見上昇で経過観察入院となりました.入院3日後,突然の悪寒戦慄と呼吸困難になり,意識混濁,緊急手術となりました.
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