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特集 知っておきたいVEXAS症候群――早期診断と治療
VEXAS症候群における免疫不全と感染症リスク
Immunodeficiency and infection risk in VEXAS syndrome
清水 俊匡
1
Toshimasa SHIMIZU
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科リウマチ・膠原病内科
キーワード:
VEXAS症候群
,
免疫不全
,
感染症
,
細胞死
Keyword:
VEXAS症候群
,
免疫不全
,
感染症
,
細胞死
pp.231-235
発行日 2025年4月19日
Published Date 2025/4/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293030231
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VEXAS症候群は,UBA1遺伝子の後天性体細胞変異によって引き起こされる自己炎症性疾患であり,発熱,汎血球減少,軟骨炎,血管炎,好中球性皮膚炎などの多彩な症候を呈しうる.近年,本疾患において感染症の合併頻度が高く,特に重篤な日和見感染症の発症率が高いことが報告されている.その要因として,高齢発症や免疫抑制剤の持続使用といった背景に加え,アンフォールドタンパク質応答(UPR)やインフラマソームの異常活性などによる細胞死の亢進,および単球・マクロファージの機能異常といったUBA1遺伝子変異によるユビキチン・プロテアソームシステム(UPS)の機能障害が誘導する免疫破綻が影響することが示唆されている.本疾患の治療方法はまだ十分に確立されていないが,さらに感染症の併発リスクを考慮した免疫抑制療法の適正化と感染症予防策の確立も重要と考えられる.

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